-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
 Title Index : all           A-Z・数字 監督別 

 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


スポンサーサイト
--年 --月 --日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「ヴェロニカ・ゲリン」
2005年 08月 29日 (月) 11:44 | 編集
 ヴェロニカ・ゲリン 特別版

「ヴェロニカ・ゲリン」 ★★★

VERONICA GUERIN(2003年アメリカ)
監督:ジョエル・シューマカー
キャスト:ケイト・ブランシェット、ジェラルド・マクソーリー、シアラン・ハインズ、ブレンダ・フリッカー、バリー・バーンズ、サイモン・オドリスコール、コリン・ファレル
公式サイト

実話に基づいたアイルランドの女性ジャーナリスト、ヴェロニカ・ゲリンの物語。これだけの素材を安いエンタメに貶める意図が理解できない。

麻薬組織に立ち向かった孤高の記者をケイト・ブランシェットが美しくかつ逞しく好演している。
とにかく映画を観て考えさせられたことは、実話ベースのフィクション作品を作る姿勢の問題。この作品はエンタメを追うばかりに幾つかの過ちを犯しているように思う。
まず第一に、彼女の身に起こった事実をドキュメンタリーチックに淡々と追うだけでも映画として十分に観応えはあっただろうが、作品の方向性はサスペンス。肝心な、何故彼女が闇の組織糾弾を生き甲斐とし、キャッチコピーにあるような子供達の未来の為に戦うという悲壮な決意を抱いたのか、そこまで彼女を駆り立てたものは何だったのか?という描写が決定的に薄い。また、ジャーナリストであることと家族を持つ人間としての立場で揺れる彼女の心の葛藤や苦悩について、もう一歩掘り下げた描写がないのは極めて残念としか言い様がない。
また、この展開では果たしてヴェロニカの行動が社会正義への目覚めによるものだったのか、ジャーナリストという仕事の魅力への傾倒によるものであったのか、極めて曖昧でもある。「死をも恐れぬ勇気」を裏打ちする動機の曖昧さと、それだけの危険に対するヴェロニカや警察のリスク回避意識の低さが目につくのは、明らかに演出面の問題だろう、これじゃ「ザ・無謀」だ。

さらに構成面ではヴェロニカが撃たれるシーンをオープニングに持ってくる必要性は全く感じない。安いサスペンスの演出なんかやめてきっちりヴェロニカ・ゲリンの人生を辿ってくれた方がクライマックスは盛り上がるだろうし彼女の偉業がより鮮明になるのではないのか。
問題はヴェロニカの伝記の内容ではなく、実話ベースの話を映画化する姿勢それ自体にあるように思う。社会派ドラマとしてよりもエンタメに突っ走る見せ方はやはりブラッカイマー製作の落とし穴だ。これだけの人物を描く作品ならば、彼女がその命を投げ打ち目指したものの大きさと重さを観客にしっかり伝えられるような構成と見せ方に努力を払うべきではないだろうか?

しかしながらその命の代償に国民を動かし、ヴェロニカが貫いてみせた信念と勇気には全く感動させられるし、ジャーナリズムの本質的な意味を考えさせられる作品ではあると思う。
社会派ドラマとしての素材は最高、但し料理は下手、という典型かな。だからブラッカイマーは嫌いなんだよ。

 ヴェロニカ・ゲリン@映画生活
 ランキング参加中です、記事に賛同頂けたらClick宜しく!
copyright (C) The Door into Summer all rights reserved.
designed by polepole..
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。