-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「17歳の処方箋」
2005年 08月 29日 (月) 10:41 | 編集
 17歳の処方箋

「17歳の処方箋」 ★★★

Igby Goes Down(2002年アメリカ)
監督:バー・スティアーズ
キャスト:キーラン・カルキン、クレア・デインズ、ジェフ・ゴールドブラム、ジャレッド・ハリス、アマンダ・ピート、ライアン・フィリップ、ビル・プルマン、スーザン・サランドン、ロリー・カルキン
公式サイト

一体何処から掛け違えてしまったのか。
バランスを失った家族の肖像と、イグビーの青春の挫折。

【ネタバレ有】
母親を殺すという非常に衝撃的なオープニングから、映画はそれが何故行われたのかを辿る。これによってブラックで皮肉なドラマの展開を予想させるものの、実際は意外にオーソドックスな青春期の閉塞と孤独を描くという少々肩透かしな印象を受けた作品。

裕福だが形骸化し崩壊している家庭、母親の過干渉、兄へのコンプレックス、自分の居場所を見つけられないままエリート街道を踏み外した主人公イグビーの挫折と孤独が痛い。だが恵まれた環境の中でドロップアウトした主人公には全く悲壮感はない。確かに、壊れていく父親を見つめた彼の幼い心中は辛かっただろうが、もっと苦労して辛い奴は世の中にいくらでもいるし正直これ位で母親に反発しヤクの売人になるのか、なんて思わせてしまう辺りどうもこの脚本には説得力がないようにも思う。

しかし映画の終盤で、誰一人イグビーの心に寄り添ってくれる人間が側にいなかったという不幸をヒリヒリと感じさせられた事も事実だ。イグビーとの微妙な距離を保ったままの周囲の人間たちの描写は、家族にしろ友人にしろ彼にはぶちまけられる人間が存在しなかったという酷く残酷な事実を映し出していると思う。死んだ母親に向って初めて彼は吐き出すように自己の母親への愛情を確認するのだ。与えられた金や環境では癒せない孤独を抱えた魂は、母の死によってしか壁を乗り越えられなかったのかもしれない。

正気を失った父親と対峙して微笑むイグビーの大人びた表情は、母親の呪縛から逃れた安らぎと子供だった彼自身への訣別を思わせて切ないエンディングとなっている。何処か生温さを感じさせられていた映画は、終盤酷く孤独な現実に向き合って、少年の大人へのステップを刻むのだ。

母親の愛情が欲しかった、という点では「SWEET SIXTEEN」に若干似ているが少し設定も詰めも甘いかな、悪くなかったですがw
個人的には"Igby Goes Down"っていう原題の方が他の映画「17歳のカルテ」なんかと被らなくていいのではないかと思うのだがどうだろうか、配給側の二番煎じ狙いが少々見えて鬱陶しい。

"Don't panic"を始めとした音楽が無茶苦茶良かったのでサントラは買いかもですねぇw。TRAVIS、COLDPLAY、The Dandy Warholsなどが参加して豪華メンバーによるサントラになっている。詳細は下記アルバム画像をクリックで(一部試聴可)

 17歳の処方箋@映画生活

Igby Goes Down [SOUNDTRACK]
Igby Goes Down Igby Goes Down
 
■映画挿入曲 COLDPLAY "Don't Panic" 収録のアルバム

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