■ Title Index : all ア カ サ タ ナ ハ マ ヤ ラ ワ A-Z・数字 監督別 |
■ ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ |
2005年
08月
29日
(月)
10:19 |
編集
大切なものを失くしてしまった人の心とその再生。
是枝作品はいつも「死」を傍らにおいて「生」を映す。
亡くなった者への悼みと言うよりは残された者の喪失感と癒しがこの監督にとっては大きなテーマなのかもしれない。埋められない心の隙間をただひたすらに描いた非常に繊細な作品だと感じる。
だが映像面に関してはこれは成功しているとはとても思えない。
何しろロングショットが多過ぎて、その映像からだけでは登場人物の心の移ろいを感じ取る事が難しいのだ。人の心を映したいならなぜ表情をクローズアップしないのか、と撮り方には激しく疑問を感じた次第だ。
日本の風景を淡々と切り取った暗い色調の映像と静かな展開は小津をイメージしたというだけのことは確かにある。特に日本海の寂れた風景や映し出された遠景のカットの美しさは味わいがあって印象的だ。
しかし映画は風景画ではない。
俳優とカメラとの距離感がそのまま観客と映画との距離感になってしまった気がしてならない。それが非常に残念、良質な映画なのだが。
是枝コンプしてるわけじゃないです、決して(爆。

■是枝監督作品



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