-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「シャイニング」
2005年 08月 29日 (月) 09:55 | 編集
  シャイニング 特別版 コンチネンタル・バージョン

「シャイニング」 ★★★☆

The Shining(1980イギリス)
監督:スタンリー・キューブリック
原作:スティーヴン・キング
キャスト:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン、フィリップ・ストーン、ジョー・ターケル

ジャック・ニコルソンの狂気の表情がこの映画の恐怖の軸。
こんなおっちゃんに追いかけられたらチビるよ。

雪原の中にぽつんと佇むホテルを俯瞰で見せるオープニングからして見事に絶望的な密室を映し出す。この設定といい、いわくつきの呪われたホテルといい、一見してオーソドックスなサスペンスホラーなのだが、余計な説明なしに映像と音で恐怖を演出するキューブリックの手腕をやはり褒め称えるべきだろう。今であればもっと露骨に恐怖シーンを描写するのだろうが、キィキィいう神経に障るような音響は観る者の不安を掻き立てるには十分だし、1980年の作品として観ても古さをあまり感じさせない。

この作品の最も面白い点は、悲劇を察知する超能力を持った息子と狂気に支配された父親のサイコサスペンス的側面だろう。強迫的に何かに捕り憑かれたように変貌していく父親、それを傍観しなくてはならない家族の焦燥と予感、この卓越した心理描写の対照が映画を13金やエルム街等の恐怖とは一線を画す作品とすることに大いに貢献しているように思う。じわじわと追い詰められる怖さに加え、特筆すべきはエレベーターから廊下に溢れる血や双子の少女といった、時折り挿入されるこのホテルの過去を物語る幻影のシーンがより一層観る者の焦燥感を掻きたてていることだ。そしてあの背筋が凍るようなエンディングでは、きっちりサイコサスペンスからホラーへと収斂してみせる、実に上手い。

また役者の演技が鬼気迫る素晴らしさである。
まぁ演技以前にジャック・ニコルソンとシェリー・デュバルの顔自体相当怖い。特にこの嫁はもう文句なし、暗がりでは絶対会いたくないタイプの素晴らしくホラー向きの顔だ。但し最初から何か腹にありそうにしか見えないジャック・ニコルソンが案の定やらかす、というのは映画にとっていいのか悪いのかw
ホラーを見慣れた人ならある程度先が読める展開ではあるし、全体的に少々物足りなかったことも事実なのだが、終盤のジャック・ニコルソンの怪演で目が覚めない人はいないだろう。この作品を観た後はどのジャック・ニコルソンも手に斧を持っていそうな気がしてならなかった位強烈だ。

尚、スティーヴン・キングの原作とははっきり言って別物なので興味のある方は読んでみた方がいいだろう。キング自身はこのキューブリック版を気に入っていなかったらしいが、実はキング原作物の映画化作品の中では非常に良い出来であるというのは皮肉な話だ。
ホテルの中の造形や左右対称のデザインへの拘りなどキューブリックらしさが随所に光る映像も必見だし、ある意味キューブリックの美学が感じられる作品でもあると思う。原作を凌駕する程の完成度の高さ、評価されて然るべき秀作である。
(2002年初回鑑賞)

 シャイニング@映画生活

■スティーブン・キング原作「シャイニング」(文庫)
シャイニング〈上〉シャイニング〈下〉
シャイニング〈上〉シャイニング〈下〉


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