-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ブラディ・サンデー」
2005年 08月 29日 (月) 00:57 | 編集
 ブラディ・サンデー スペシャル・エディション

「ブラディ・サンデー」 ★★★★

Bloody Sunday(2002年 イギリス/アイルランド)
監督:ポール・グリーングラス
キャスト:ジェームズ・ネスビット、ティム・ピゴット=スミス、ニコラス・ファレル、ジェラルド・マクソーリー、キャシー・キエラ・クラーク
主題歌:"Sunday Bloody Sunday" by U2
   ⇒ ライヴ・エイドの"Sunday Bloody Sunday"を試聴する
   ⇒ ブラディ・サンデー@映画生活

"いつかこの歌を歌わずにすむ日がくるように" by Bono(U2)

1972年1月30日アイルランドで起きた「血の日曜日」事件の映画化作品。
本作は2002年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品でありながら日本では未公開であり、当時からほとんど話題にならずようやく最近DVD化された作品だ(因みにこの年の日本からの出品作は「千と千尋の神隠し」)。

映画に描かれているのは、カトリック系住民による公民権運動の平和的行進と、それに対して行われたイギリス軍による武力制圧の一部始終。この制圧によって、北アイルランド・デリー市の非武装の一般市民に13名の犠牲者が出たという。

手持ちカメラによる激しく揺れるドキュメンタリー風の映像が非常にリアルで生々しい。一部の暴徒とイギリス軍との小競り合いから行進が歴史的な悲劇へと変容していくその顛末の詳細が、アイルランド・イギリス双方の立場から混沌と描かれていく。
怒声と銃声の中を逃げ惑う市民、倒れた者の傍らで泣き崩れる人々、錯綜し混乱するイギリス軍。
この作品において非常に優れていると感じる点は、両サイドから描くという手法によって完全な客観性とリアリティを持ち得ているということだ。統制されていない群集の脆さや血気に逸る兵士の暴走の描写が網羅されることによって、制御のきかなくなった暴力の行末が鮮烈に映像化されているのである。

ポール・グリーングラス監督は、この映画が目指したものはイギリス・アイルランド其々に認められるものを描くことにあったと述べている。それこそがこの日を記憶する者への癒しとなると。
我々は映画が観る者に与えられるものは決して娯楽だけではなく、メディアとしての役割も軽視できないということを改めて認識するべきなのではないだろうか。
愚かしく虚しい戦いの総てがエンドロールの「ブラディ・サンデー」(U2)の歌と共にいつまでも心に響き続ける。
「父の祈りを」のジム・シェリダンが製作総指揮に参加、アイルランド闘争の真実を描き出そうとする真摯な姿勢と和解への痛切な祈りを感じる作品だ。実に秀作です。

尚、U2による主題歌"Sunday Bloody Sunday"はアルバム「WAR」に収録される名曲だ。映画はこの曲が作られた背景をより雄弁に克明に語る、鑑賞後は一層ボノの歌声が深く心に響くことだろう。


■"Sunday Bloody Sunday"を聴きたい方は下のLIVE映像をどうぞ 
   ライヴ・エイドの"Sunday Bloody Sunday"を試聴する

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■U2「ブラディ・サンデー」収録アルバム
 WAR(闘)
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