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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「時計じかけのオレンジ」
2005年 08月 27日 (土) 23:21 | 編集
 時計じかけのオレンジ

「時計じかけのオレンジ」 ★★★★

A Crockwork Orange(1971年アメリカ)
監督:スタンリー・キューブリック
キャスト:マルコム・マクドウェル、パトリック・マギー、ウォーレン・クラーク、ジェームズ・マーカス、マッジ・ライアン

デザイン性に溢れた造形美を初めとした映像の斬新さ・奇抜さ、変態チックに暴走する歪んだ狂気と欲望の奔出、あらゆる映画的な要素を網羅し圧倒的なインパクトを兼ね備えた表現に初見で衝撃を覚えない者はおそらくいないはずだ。露骨な暴力描写に生理的嫌悪感を感じることもまた確かだろう。しかしこの作品が包括するテーマは、現代においても決して輝きを失うことのない普遍性と奥深さを秘め、映画史的に鑑みても揺ぎ無い個性に位置づけられる傑作であることは確かだ。

自分が恐怖を覚えたマジョリティの社会的幸福の名の下に下される制裁は、管理社会に対する近未来からの痛烈な風刺と皮肉とも取れる。
犯罪とは何か?狂気とは何か?人権とは?
このような正攻法的アプローチをすれば「暴力を消去するための暴力」という矛盾をあらゆるモチーフを使って描いた風刺映画の名作という位置付けも可能だろう。或いは洗脳とプロパガンダの恐怖を皮肉たっぷりに描いた作品とも。だがこれも自分にはどこか物足りない表面的な解釈に思える。
何故ならそんなことを超越してこの映画が我々の意識下に送り込んでくるものはまさに人間が抱える自己矛盾の根源たるエス( es )の世界そのものだからである。
理性が及ばない本能を暴かれる不気味さと不快感、それと同居する本質的な歪んだ欲望の発露がひとつの形となって提示されたキューブリックの最高傑作と自分は思うのだが、どうだろう。

高校時代にこれを観た時は映画というものに対するイメージが覆されるような衝撃で、はっきり言って愕然とした。何度観ても見慣れるということのない毒に満ちた世界観とユニークな映像、悪趣味かつストレートなメッセージ性には腰が抜けるw。
で、とにかくこの音楽の使い方にも驚嘆の一言、「雨に唄えば」と言えばコレなんですけどね、俺♪

 時計じかけのオレンジ@映画生活

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