-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「スリング・ブレイド」
2005年 08月 27日 (土) 22:42 | 編集
 スリング・ブレイド

「スリング・ブレイド」 ★★★☆

Sling Blade(1996年アメリカ)
監督:ビリー・ボブ・ソーントン
脚本:ビリー・ボブ・ソーントン
キャスト:ビリー・ボブ・ソーントン、ロバート・デュバル、ドワイト・ヨーカム、J・T・ウォルシュ、ジョン・リッター、ルーカス・ブラック、ナタリー・キャナディ、ジム・ジャームッシュ(カメオ出演)
音楽:ダニエル・ラノワ



97年アカデミー賞脚色賞受賞、主演男優賞ノミネート作品。
事も無げに「人を殺した」と語る寡黙な男。
物語はこのビリー・ボブ演ずる「カール」という知恵遅れの男の現在とその人格を描きつつ淡々と語られる。
中盤までの展開は劇的なものはないが、カールと少年フランクとの擬似親子のような関係が非常に暖かく心を打つ。しかしそれが悲劇への序章である予感も"Sling Blade"という題名と共にどうしても払拭できないという部分がこのドラマの伏線である。
もしかしたら更生していないのではないか?また同じ犯罪が繰り返されるのではないか?
そういう疑念を否定しながらも我々がこの作品をどこか不安な思いで見つめてしまうのは、カールという男の抱えた孤独と哀しみの翳が非常に深いところにあるという事に気づいてしまうからだろう。この辺の演出は物凄く上手いと思う。
親に疎まれ弟を失い母親を葬ってしまった男の不幸は、ただ愛するものを永遠に守りたいという決意に昇華されていく。愛人からの単なる暴力からだけではなくて、カール自身が背負わなければならなかった母親や父親への憎悪というものからフランクを守りたかったのではないだろうか。自分の家族には決して癒されることがなかったカールの無垢な心はおそらくフランクとの出会いによって救われたのだ。
客観的なトーンの演出とカールのキャラ構築によってどの人物にもそれ程感情移入させられることがないのもこの手の映画には重要であると思う。
ドイルという男にも生きる権利がある、身障者差別云々という議論は映画のテーマからは的外れであると思うのでここで言及するのは避ける。が、あまりにも優しき殺人者が背負った過去と、彼が下した決断をどう判断すべきか?この作品のテーマとしてはそれを観る者に問うという意味もあるように感じた。
カールの横顔で終わるラストシーン、その視線の先に何が有るのか、投げかけられるものが非常に重い作品であることは確かだ。

まぁ演出は抑制されているしエンディングの悲劇も予測されるので多少中盤はダレる。少年の未来ってあれで幸福になるのかよ、的な突っ込みも入れたくなったが、このストーリーのオチとしてはやはり妥当な所だろう。
ビリー・ボブが上手いことは言うまでもない。また、エンディングテーマが無茶苦茶いいし、使われている音楽はどれもクールなのでその辺もポイント高い映画だったかなw。

 スリング・ブレイド@映画生活
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