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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」
2005年 08月 27日 (土) 21:04 | 編集
 ライフ・オブ・デビッド・ゲイル

「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」 ★★★☆

THE LIFE OF DAVID GALE(2003年アメリカ)
監督:アラン・パーカー
キャスト:ケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット、ローラ・リニー、ガブリエル・マン
   ⇒ ライフ・オブ・デビッド・ゲイル@映画生活
   ⇒ IMDbのTrailerを観る(WMP)

よく考えると脚本は自己矛盾に陥っているが、エンタメサスペンスとしては面白い。

ネタバレ要注意
死刑制度への是非云々のヒューマンドラマとして観るよりはサスペンスの秀作として観るべき映画だろう。死刑制度を扱っているからといって「デッドマン・ウォーキング」のような重さや深さを期待してはいけないし、残念ながらオチがわかってしまうと何度も繰り返して観たいという作品でもない。

とはいえ非常に巧妙なサスペンスであることは確かだ。集中して観ないとオチに絡む重要な部分を見逃す可能性があるので「ユージュアル・サスペクツ」のように中盤で気を抜いたりしてはいけないw。
大体3日前に記者を呼ぶ事自体ゲイルが死刑を免れようとはしていないことは明らかなのだが、まさかこんなエンディングが待っていようとは普通は予想がつくまい、ドンデン返し系サスペンスとして大変成功していると思う。様々な伏線を張りつつパズルのすべての謎が解ける鮮やかなラストは全く見事だ。

しかし脚本に関して言えば死刑制度の是非へのアプローチに関しては疑問を感じざるを得なかったことも確かである。勿論それは個人的見解に拠るのであるが、そもそも死刑反対論者が自分の命を道具として死刑反対を唱えるという脚本自体が自己矛盾を起こしていると思うのだ。
この作品で扱う死刑反対論では、冤罪疑惑を捨て切れないという理由も一つの要因として描かれているが、それ以前にまず命や人権の尊重という基本的なスタンスがあるはずだ。従って、人間の余命を断つ或いは冤罪を招いて死んで見せるという行為を死刑反対論者が自らやってしまっては説得力もクソもないではないか。

結局死刑制度の是非とはサスペンス物の題材として使うには重過ぎるテーマである。この映画はそういうテーマ性よりも緻密に練られたストーリーと構成を楽しむべき単純なるエンタメサスペンスであり、社会派ドラマとしての重厚さなんて端から期待するべきではないだろう。要は死刑制度がたまたまモチーフとされているだけなのだから。
まぁ話としては荒唐無稽ではあるがよくできているし面白い、知り合いはオチがわかってしまったそうだが自分はすっかり騙されたので楽しめましたw。

こういう役に明らかに何かあるだろうな匂いプンプンのケヴィン・スペイシーを使ってる時点でどうかと思うけど、役者の上手さは文句無し。


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