-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「2/デュオ」
2005年 08月 27日 (土) 02:36 | 編集
2/デュオ 2/デュオ

「2/デュオ」 ★★★☆

(1997年日本)
監督:諏訪敦彦
キャスト:西島秀俊、柳愛里、渡辺真紀子、中村久美

寄り添っていた心と心が離れていく瞬間。
繊細な感情の揺れをリアリズムと共存させて、恋の終焉を描き出す。

諏訪敦彦監督の監督デビュー作である。
脚本というものを破棄して10ページ程度の簡単なストーリーだけを用意して撮影されたものであるらしい。

「ありがとう」「大丈夫」「平気平気」「いいからいいから」
相手に苦しみや悲しみを伝えない事で、自分の心さえもどこかに置き忘れてしまったような男と女の話。
行き詰まる瞬間なんてきっとこんなもので駄目になる時は何をしてもそれを止める事ができない。この映画は、脆くて危うい均衡の上に成立していた男と女の関係が次第にバランスを失っていく様子を実に鮮烈に描き出して見せるのだ。

男が「結婚」したかったのは、今の自分を変えたかったからかもしれないし、生きることに迷っていたからかもしれない。しかし結婚したら「幸せになれるかもしれない」、という何の保証も展望も無い曖昧な未来への期待は結局ただの現実逃避にしか過ぎない。
それに気づいてしまう女もやはり自分自身に閉塞している。

日常になってしまった関係が壊れていく瞬間。
互いを埋め合わせる事ができなくなったことに気づいた瞬間。

映画は傷つけ合って離れていく心と心の移ろいをを淡々と追っていく。
時々挿入される即興のダイアローグがそれを補足し、まるでドキュメンタリーを観ているような錯覚にも陥った。

「ありがとう(怒)、大丈夫(泣)、平気平気(苛)、いいからいいから(悲)」
表に出す感情を笑顔で繕い、相手にも自分にも心地いい言葉で覆い隠したとしても、そんな欺瞞や偽りはいつかは破綻するのだ。
全然大丈夫じゃない、死にたいくらい困ってるんだ、苦しいから助けてくれ。彼等は一度もそう叫ぶことなくラストシーンは曖昧に終わる。もっと利己的にもっと無遠慮に互いの心がぶつかり合うことが必要だったのだろうか。観る者は様々な思いを抱いてエンディングを見つめることになるのだ。

独特の撮影方法とリズムで、邦画らしい繊細さを感じられた作品だと思う。切り取られた日常のシーンはあまりにも平凡でカメラワークや映像に目新しさはないけれど、二人のダイアローグが映画という虚構を現実に引き寄せ、作品に抑揚をもたらしている。ラブストーリーは悉く苦手なのだがこれはなかなか面白かったです。

97年ロッテルダム国際映画祭NETPAC賞受賞作品。


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