-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「父の祈りを」
2005年 08月 26日 (金) 21:10 | 編集
 父の祈りを

「父の祈りを」 ★★★☆

In the Name of The Father(1993年米・英)
監督:ジム・シェリダン
キャスト:ダニエル・デイ・ルイス、ピート・ポスルスウェイト、ジョン・リンチ、エマ・トンプソン

 北アイルランド闘争の最中に起こった爆弾テロの汚名を晴らすために闘った親子の物語、実話ベースです。

作品のテーマは沈鬱でヘビーだ。宗教絡みのIRA問題と冤罪、ベルファストの貧困を背景に、父と息子が貫いた信念を描き出す。
密室の拷問による自白の強要に始まる警察制度や冤罪再審の困難さ等あまりに不条理な現実を丁寧に描写することによって、国や人種を超えて遠い異国で起こった出来事に我々鑑賞者は生々しい苛立ちや怒りといった共感を抱き、人間の尊厳という普遍的なテーマ性を感じ取ることができる。実話の重さを損なうことなく描く、これは実話ベースの作品にはとても重要なことだと思う。

脚本は一人の人間がその人生から奪われてしまった15年という歳月の長さと、法廷闘争の苦闘を淡々と描き出していく。映画全体は地味な印象で敢えて作為的なドラマ性を避けているように感じられる。同じ冤罪物である「ショーシャンクの空に」のようなエンターテインメント性や鑑賞後の爽快さはここには無く、いつまでも遺恨と哀しみが心に張り付いて離れない、そんな痛切な重さが残るのだ。
息子は冤罪との闘いに若さを費やし、父親は息子の罪を晴らすために総てを賭して志し半ばで倒れる。戻らない月日の長さと尊さを思うと人生には悔やんでも悔やみきれない事があると感じずにはいられない。また、人が生きる意味について沈思させられる作品でもある。

とにかく心に沁みるのは、ヘタレな息子を信じて止まないピート・ポスルスウェイト演ずる父親の無償の愛情だ。この映画の根幹にある不器用だが実直で誠実な父親像が、重いテーマをここまで熱くして、感動的な骨太の作品に仕上げているのではないだろうか。
はっきり言ってエンタメ度は皆無だがダニエル・デイ・ルイスとピート・ポスルスウェイトの好演は必見に値する素晴しさだ。またサントラにはU2のボーノ始めアイルランド出身ミュージシャンが数多く名を連ねている。

自分と父親について振り返りたくなる映画です、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作品。


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