-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「アメリカン・ヒストリーX」
2005年 08月 26日 (金) 15:59 | 編集
 アメリカン・ヒストリーX

「アメリカン・ヒストリーX」 ★★★★

American History X(1998年アメリカ)
監督: トニー・ケイ
キャスト:エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング、ビヴァリー・ダンジェロ、ジェニファー・リエン、イーサン・サプリー

白人至上主義に傾倒した兄弟の悲劇を通して現代アメリカの闇に迫る物語。

憎悪は疲弊し連鎖する。
人種問題の根深さは多人種国家に生まれ住んだ者にしかその現実は解らないのかもしれない。ましてアメリカ国家創始以来の黒人との軋轢は容易に解決できる問題であるはずがない。人種問題に貧困やドラッグといった様々な要因が絡んだ現代において事はそう単純ではなくなっているということだろう。

この映画の描く絶望は人種差別も含めた社会問題の歪みがもたらした不幸が連鎖していくことにある。投げつけられた言葉が時に人に与えるダメージは暴力以上に多大で辛辣だ。

過去と現実をモノクロとカラーで使い分ける映像それ自体も非常に印象的なのだが、その対比がまさに人種の対立そのものを象徴しているかのように効果的だったと思う。同じ過去でも幼い兄弟の記憶は鮮やかなカラーでありモノクロではない、こういう手法は珍しくはないだろうが登場人物の非常に切ない心象風景を表現した演出となっている。

目には目を、制裁には制裁という理論によって解決されるものなどない、という最終的な帰結はアメリカ社会の現実と未来を見据えた悲壮な決意さえ感じさせるものだ。本作で描かれた強盗、殺人、銃、白人至上主義、ネオナチ、憎悪と暴力の連鎖、そこには甘ったるいロマンスや安っぽい感傷もない、しかしアメリカ社会の根底に潜む問題を生々しく描写し、未来への問題提起を行ったという点で間違いなく傑作だと思う。
またデレクとダニーの変貌と更生が安直過ぎるという指摘もあるようだが、憎悪の始まりや終わりなんて実は些細なものなのかもしれない。デレクの更生が問われるのだとすればそれは映画のその後の話なのだ。

エドワード・ノートンとファーロングの演技が冴え捲くっている。ノートンは「25時」とは別人のようにマッチョでスキンヘッド、これがまた似合い過ぎだが、彼の刑務所生活が「25時」のその後に被って見えて不思議な気分にもさせられた。

「怒りは君を幸せにしたか?」

目を覆いたくなる衝撃的で絶望的なラストシーンで、我々は「何故?」そしてどうすれば良かったのかと自問させられるだろう。
あまりに重い、しかし直視するべき現実がここにはある。


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