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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ブレッド&ローズ」
2005年 08月 26日 (金) 12:24 | 編集


「ブレッド&ローズ」 ★★★

(2000年英・独・スペイン)
監督:ケン・ローチ
キャスト:ピラール・パディージャ、エイドリアン・ブロディ、エルピディア・カリージョ
公式サイト

移民労働者の権利について力強く描いた社会派ドラマ。

ラテン系の人々が主人公というせいか「SWEET SIXTEEN」のような沈鬱さはないが、搾取される貧しい労働者達の厳しい状況に目を背ける事のない監督の姿勢を強く感じさせる作品。

ヒロインの天真爛漫な魅力と淡い恋愛がこの映画を暗澹たるものにしないで、明るい希望のある未来を予感させる雰囲気も作っていたと思う。移民と彼等の労働条件改善というテーマは、今の日本に住んでいる自分達からは全く遠い対岸の火事のようにも思えるのだが、この作品を観てアメリカ社会の根底に潜む問題であることを改めて考えさせられた。

ブレッド(日々の糧)とローズ(人生の彩り)とはいうものの、移民労働者達にとっての「ローズ」は映画が描かなかったこの先の未来に勝ち取っていかなければならないものなのだろう。
イギリス人であるケン・ローチがこのようなアメリカ社会の暗部を描いたという事も興味深いが、やっぱりラストはいかにもケン・ローチらしい手厳しさがあった。
但し若干能天気にも見える妹のキャラクターは作品の明るさを醸成することには一役買っているだろうが、その軽々しさが映画自体にはまれない理由になりそうな気もする。映画の帰結にはその軽率と愚直さが必要ではあったのだろうが、感情移入させられるのはヒロインの姉の方だったw

Drifting Cloudsの管理人さんに薦められたもののDVDやビデオが出ていないというのでCS視聴している奴を探してやっと観られたという作品。
なかなか考えさせられる重いテーマを孕んだドラマだ、作品としては「SWEET SIXTEEN」程のカタルシスやドラマがないけれど、骨太の社会派作品が観たい人には必見だろう。


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■ケン・ローチ監督作品
 夜空に星のあるように
 SWEET SIXTEEN
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