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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「あずみ」
2005年 08月 24日 (水) 01:57 | 編集
あずみ スタンダード・エディション あずみ スタンダード・エディション

「あずみ」★★☆

AZUMI(2003年日本)
監督:北村龍平
原作:小山ゆう「あずみ (1)
脚本:水島力也、桐山勲
キャスト:上戸彩、成宮寛貴、小橋賢児、金子貴俊、石垣佑磨、小栗旬、オダギリジョー、 伊武雅刀、北村一輝、佐藤慶、竹中直人、原田芳雄

平和の為に最強の暗殺者となる宿命。
この不条理と無常観がドラマになっていない。

原作と比較せずに映画だけを取ってみても、残念ながらかなり厳しい映画だ。
何がつまらないのか?
あずみの殺陣とか演技の下手さ加減だけにその原因があるわけではないと思う。2時間半斬りまくってアクションも結構だが、人を殺す定めを背負って生まれた苦悩や哀しみ、孤独、最後までそういう葛藤が殆んど見えてこない。
育ての親に「殺戮の使命」を言い渡された若き刺客達がたいして苦悩もせずに仲間を殺し、大名達の暗殺の為に更なる殺し合いに手を染めていく。殺戮に疲れ疑問を抱いて悲しんだり人を愛し途惑う、といった彼等の心の動きは脚本上二の次だったようだ。ひたすら「使命」に従順な彼等、「若いから」「刺客として育てられたから」愚直に使命に鵜呑みで突っ走っていく。

勿論チャンバラやって200人斬って見せるのもアクション映画としては別に間違いではないだろう。現にそういうシーンは痛快だし、時代考証云々突っ込むのも大概ナンセンスだと思う。
だがそれだけでは映画として観た時にはやはり何か物足りないのだ。
この作品の場合は、アクションは映画の中の一つの要素としてその魅力を発揮すべきだったのではないか。原作の方には殺人マシーンとしてしか生きていけない自らのアイデンティティーに気づいて、殺戮で平和と安息を得ようとする無常観を根底に感じられたが、それは映画とは全く対照的だ。

結局単なるチャンバラエンタメ作品として観るにはアクションは物足りなく、ドラマの部分は奥深さがあまり感じられない。両方求めることは無粋なのかもしれないが、元々の素材が悪くないだけに残念な作品だと思う。
良かったといえばオダジョーの美女丸が実にはまっていた、彼は最近注目株の仮面ライダーだが実に個性のある魅力的な役者だと思う。また、上戸嬢以外の若手俳優陣も結構頑張っていて、キャスト陣は安定した芝居が出来る面々が揃っていたのが救いである。
【2004.10.04】


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■「あずみ2」
あずみ 2 あずみ 2

■「あずみ」サウンドトラック
東宝/日本ヘラルド映画「あずみ」オリジナル・サウンドトラック 「あずみ」オリジナル・サウンドトラック

■北村龍平監督作品DVD
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