-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「ストレイト・ストーリー」
2005年 08月 26日 (金) 11:15 | 編集
 ストレイト・ストーリー

「ストレイト・ストーリー」 ★★★☆

The Straight Story(1999年アメリカ・フランス)
監督:デヴィッド・リンチ
キャスト:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン、エヴァレット・マクギル

Drifting Clouds管理人さんイチオシなリンチ作品を鑑賞。

音信不通だった病床の兄に会うため、時速8kmのトラクターに乗って旅に出る老人の姿を描く実話ベース頑固ロードムービー。トラクターでかよ!ジジィ、やるじゃん!というところから始まる非常に穏やかな映画だ。

淡々と進むストーリーと道のりはひたすら静かでまっすぐに続く。その行程も展開も平凡で地味そのもの。所謂非日常を表象するリンチワールドの狂気は封印されてほとんど見えない作品だが、しかしこの地味な映画が持つ温かさは他のものには変え難い魅力でもある。
映画が進むにつれ老人の旅のエピソードの一つ一つが実に味わい深いということに観客は気づくだろう。旅の途中で出会う人々とのやりとりは、老人にとっても彼に出会った人々にとってもそれぞれの人生を振り返るような愛しさに溢れたものだ。

自分の人生の終幕にその希望を最後の旅に賭けた一人の男。
遠くて長い道をゆっくりと進む彼の旅は、彼自身が生きた年月を改めてぽつぽつと辿るかのように噛み締める様な切なさに彩られているのである。
またアメリカの片田舎で生きる高齢者像の一片を静かに語る作品でもあることもこの映画の奥深さの一つだろうと思う。子供と離れ人生の終幕に近づいた人間の選んだ一つの選択に、人は誰のために何のために生きていくのか、ベタな話だがこんなことを思って青臭く感動してしまった次第だ。
こういう普通で美しい作品を描けるリンチの力量には全く驚かされるし、この後公開された作品が「マルホランド・ドライブ」になっちゃうのもさすがというか、やっぱりというべきかw。

全くストレイト爺ちゃんに泣かされてしまいました。キャストの演技も素晴らしい、自分もこんなジジィになろう。
しかし注目すべきは、人物の表情から夜空に切り替わるシーンのカメラワークや、「いきなり鹿」などのカットはしっかりリンチらしさが出ている事。トラクターの旅を主人公が決意する表情、そして彼の顔に映る激しい雨、立ちはだかる不安に揺ぎ無い決心を表現するこのシーンは全く秀逸の一言だ。デヴィッド・リンチの歪な狂気の世界が苦手な人には必見のロード・ムービーであろう。


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