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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「ミスティック・リバー」
2005年 08月 26日 (金) 02:13 | 編集
 ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉

「ミスティック・リバー」 ★★★☆

Mystic River(2003年アメリカ)
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:ティム・ロビンス、ショーン・ペン、ケビン・ベーコン
公式サイト
2003年アカデミー賞主演男優賞及び助演男優賞受賞作品。

いつも戻るのは「あの日もしも」だ。
登場人物3人とも過去の忌まわしい出来事をそれぞれに引き摺りながら決してその亡霊から逃れることができない。傷を共有することになったお互いをさえも憎み続けていたように思う。彼等が本当にミスティック・リバーに沈めたかったのは何だ?おそらく自身の「過去」だろう。
人は過去を消す事はできない。
汚れた罪や人の業を総て内包して押し流す川のようにパレードが進んでいく、そのラストシーンにはただただ矛盾と不条理が混在するアメリカの現実を感じるしかなかった。

性的虐待という悲劇的な幕開けに誤解による殺人という最低なラスト。
救いもないし全く気分が悪い話だが映画としては優れているのだろう。ストーリー自体に新しさはないが展開も無駄がなくサスペンスタッチで観る者を飽きさせない、そして役者もアクの強い演技派が揃っている。サスペンスで引っ張っておいて、矮小で脆弱な人間の側面と不条理な現実を極めて客観的に描いた作品としてはやはり評価されて然るべきだろうと思う。

ただ正直なところ感想を今までまともに書く気にならなかったのは、ストーリーに「赦し」や「救い」の視点を感じられないだけではなく、人の心の欺瞞と弱さを見せつけてこれが運命だ、現実だと冷静に語られているような部分がどうも理解できないというか、監督の視点の冷徹さに共感できないものが自分の中にあったのだ。人物描写にしてもデイブ意外にはほぼ感情移入できない演出でありその辺にも不満が残る、まぁラストはわざと甘い詰めにして観客の心情に余韻を残したのだろうが。
甚だ消化不良だが、重い十字架を背負ったアメリカという国の哀しみにただただ絶句させられる作品である。

余談だが前宣伝で「スタンド・バイ・ミー」が引き合いに出されていた。少年時代の出来事がモチーフっていうだけで別物過ぎ。

→ イーストウッドのオスカー作品考察


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