-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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「過去のない男」
2005年 08月 26日 (金) 02:01 | 編集
 過去のない男

「過去のない男」 ★★★★

THE MAN WITHOUT A PAST (2002年フィンランド)
監督:アキ・カウリスマキ
キャスト:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、アンニッキ・タハティ、ユハニ・ニユミラ、カイヤ・パリカネン、サカリ・クオスマネン、マルコ・ハーヴィスト&ポウタハウカ、エリナ・サロ
挿入歌:クレイジーケンバンド 「ハワイの夜」

過去の記憶を総て失った男が出会ったささやかな幸福の欠片、痺れる名品だ。

カウリスマキ監督の作品を初めて観た人はおそらくこの監督の才能のユニークさにまず驚くのではないだろうか。
何ともシュールなティストでごく短い単純な受け答えで淡々と展開するストーリー、時に大袈裟で時にポップな音楽。キャストと言えば相変わらずその辺から連れてきたとしか思えない風貌のカウリスマキ作品お馴染みの役者が実にいい味を醸し出す。男の記憶は果たして戻るのか?なんてサスペンスの匂い等勿論微塵もない。更には無駄なものを一切排した切れ味の良いカメラワークと独特の「間」。
一見地味に見える作品が放つ強烈な個性は他のどの映画でも味わえないカウリスマキ・カラーなのである。

そしてその特徴と共に注目すべきは、どこにでもいるような人々に対する監督の視線だろう。普通の人々の普通である事の非凡さ、或いは普通という感覚の中にあるかけがえのないものへの監督の愛情を感じるが故に、作品を観ているとその世界にずっと浸っていたくなるような快感を感じてしまうのかもしれない。
考えてみれば記憶喪失、即ち過去を失くすということは全部失って最悪な状況のはずだが映画には悲壮感は全く無い。もう失うものは何もないという逆にリセット系の凄味、開き直りの境地のようなものさえ伝わってくる。そしてこの何も持たざる男によってもたらされていく周囲の微かな変化と幸福。それこそが映画の見所なのだろうと思う。
裕福だったり特別だったりする人間は誰も登場しない。だが、人生は何度でもやり直せる、そして生きている限り素晴らしい出会いに巡り会える、そんな思いに満たされる実に心地良い作品なのだ。

カウリスマキにしてはメジャー路線にシフトしてる気もしないでもないが、それだけ彼の作品を観た事がなくても取っ付き易い映画だろう。
因みにこの配役は「10ミニッツ・オールダー」の「結婚は10分で決める」や「浮き雲」でも登場の二人、地味だけどとても上手い役者だ。締めのエンドロールの曲の歌詞もいいので最後まで堪能できる。
2002年カンヌ映画祭グランプリ、主演女優賞受賞作品。
暖かさがじわりと心に沁みる。噛めば噛むほど味わいのある映画だ。

「俺がうつ向けで死んでたら仰向けにしてくれ」

   ■このブログ内のカウリスマキ監督作品感想LINK
      浮き雲 ★★★★
      真夜中の虹 ★★★☆
      10ミニッツオールダー ★★★


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■過去のない男 サウンドトラック
過去のない男 過去のない男

■挿入歌「ハワイの夜」収録のアルバム
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