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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「ブラウン・バニー」
2005年 08月 26日 (金) 01:56 | 編集
 ブラウン・バニー

「ブラウン・バニー」 ★★★★(爆)

The Brown Bunny (2003年アメリカ)
監督:ヴィンセント・ギャロ
キャスト:ヴィンセント・ギャロ、クロエ・セヴィニー
   ⇒ 公式サイト

最高かサイテーかどちらかの評価しかないだろう、とにかくギャロな映画だ。

まずラストまで行かないとストーリーが全然判らない。
セリフほぼなし、解説なし、画面にはギャロギャロギャロギャロそしてギャロ。おいおいプロモかよ、自主制作かよ、ま、監督から脚本撮影全部ギャロだからしゃあないんですが。

完璧なまでのギャロのナルシズムの世界が構築され、しかも途中までは意味不明。どうやらバイクのレーサーらしいこの男は事情があって旅に出ているらしいが、その理由も目的も鑑賞者には全くわからない。眠くなりそうだと思った瞬間にクロエ・セヴィニーとの絡みが出てきたおかげで目が醒めるという何とも困った映画なのだ。

ラスト5分の映画といえば「ユージュアル・サスペクツ」辺りも近いが、この映画はラストが総てと言ってもいい位エンディングに総てが凝縮されている、よってラブシーンから始まるクライマックスだけは絶対見逃せない。それまで置いてけぼりだった観客は、衝撃のラストによって初めてブラウン・バニーの意味とエピソードの総てを理解し愕然とさせられることになる。これだけ時間をかけて失くした愛情をなぞったヘタレな映画は他に自分はあまり観たことがない。

この映画の本質は、愛するものの死を受け入れられないまま幻影に追いすがる男の弱さそのもののように思う。彼が現実を認識して再び出発したのかどうかさえも映画では語られないだけに、悲しさと孤独感だけが痛ましく残る実に残酷で悲劇的な映画でもあるのだ。
とまぁ好意的に取れば物凄く切ない寂しい映画だ。ギャロウサギは寂しいと死んでしまうんだよ。

結論、あぁやっぱりギャロっていいねぇ
こういう映画嫌いになれないんですよw、しかもロードムービーだ!
ま展開がアレだから普通に寝そうになる気持ちも解るし、大画面で劇場で観たらやっぱり辛いだろう、一般的なウケは全く良くないらしい。
カンヌでも大ブーイングだったそうだが、人の評価なんて自分の中に固定観念や先入観を産むだけで自分で観てみないと正直何とも言えないと実感させられた作品だ。

思うに実はカタルシスを感じることができる映画というものは自分の中でそれ程多くなくて、心の奥底を突き動かされる作品に出会う体験はとても貴重だとつくづく感じている。だからどんなに綺麗にまとまった映画よりも、たった1シーンを思い出して燃えるように感情が沸き立つ、少しぐらい歪で欠点があってもそんな作品との出会いに喜びを感じるのだ。
映画に何を求めるか、多分自分は一時の快楽よりも、繰り返し記憶に蘇って感傷の欲求を満たしてくれるものが欲しいのだと思う。
「ブラウン・バニー」で言うなら、愛する女を失って泣く男の思いの総てが凝縮された、惨めったらしく萎れた背中、たったあの1シーンでこの映画は自分にとって忘れられない作品の一つになってしまった。個人の映画体験とはそういうものではないかと思う。

でも何で口だけなんだろう?幻影まで寂しいよな・・・


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■ヴィンセント・ギャロ監督作品
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