−大学生の自己中ネタバレ映画評−
NUMB
 Title Index : all           A-Z・数字 監督別 

 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★〜★★ 

新旧オールジャンルの濃い目の映画感想日記です、解釈分析ネタバレ有り。

【 about 】
   ・ このブログは無期限休止中です。多忙につき、現在コメントへのレス及び
     トラックバック返しはしていません。
   ・ 記事の検索は上のTitle Index、又はサイドバーのカテゴリーからどうぞ。
   ・ 当ブログの★評価・スタンス
   ・ トラックバックポリシー
   ・ 関連記事へのコメント・TBはご自由にどうぞ。
     但し誹謗中傷又はスパムコメント・TBについては、管理人の判断にて予告無しに
     削除しますので予めご了承下さい。
   ・ 駄文の著作権は放棄していません、記事の無断転載は禁止w。       



「グッバイ、レーニン!」
2005年 08月 26日 (金) 01:31 | 編集
 グッバイ、レーニン!

「グッバイ、レーニン!」 ★★★☆

GOOD BYE LENIN!(2003年ドイツ)
監督:ウォルフガング・ベッカー
キャスト:ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース、チュルパン・ハマートヴァ
公式サイト

コメディータッチではあるが、歴史の大きな潮流に飲み込まれる人間の生き様と社会的な変化のうねりを実に鮮烈に描き出した作品だ。

母親の病気を悪化させない為に東西ドイツ統一の事実を隠し続ける息子とその家族との物語。
ベルリンの壁崩壊と東西ドイツ統一、それは所謂マルクス社会主義の凋落と冷戦終結の象徴として、人類史上の偉大なる出来事であることは周知の事実であろう。
この映画の面白さは、歴史とイデオロギーの変貌に翻弄される一家族を、政治的な観点からではなくその時代に生きた個々の人間を描くという視点から描いたことにあると思う。資本主義による統一の陰で東側の人々が直面した様々な途惑いのエピソード等は実にリアルで興味深いし、母親から事実を隠しニュース映像を造り出す主人公の必死の努力もコミカルながら実に切ない。

しかし母親の部屋に再現された理想の旧東ドイツとは、本当は一体誰の為に作られたものだったのだろうか?そう考えた時この作品の本当のテーマが見えてくる。
「新時代のペースから抜け出して安らぎ」を得、家族と暮らした祖国に拘り続けたのはむしろ息子の方だったのではないだろうか。母親の為に最後に作ったベルリンの壁崩壊のニュースこそ彼の理想であったのかもしれない。速過ぎる歴史の流れに向き合えたその時にやっと、彼はレーニン(即ち旧体制)に別れを告げることができたのではないだろうか。
この作品は、母親思いの息子の最後の親孝行の様相を呈しつつ、イデオロギーを喪失して途惑う人間の葛藤を鮮やかに描き出しているに他ならない。失われた祖国、そこに生まれそこに生きる人々のアイデンティティーというものを改めて考えずにはいられない深い余韻の残る映画である。

主人公の独白で進む展開のテンポも良いし、要所の音楽も実に軽妙。激動の歴史フィルムが早回しで映し出されることで、急激な変化の訪れを実感させられる点も上手い。若干母親に事実を隠し続ける部分が長過ぎて冗漫な印象はあるが、偉大なる事件をこのような切り口で見せる監督の手腕には感心させられる。
ベッドルームにゲバラの写真を見つけて微妙に嬉しかったりしたが、それにしても「SWEET16」と同様やっぱり女の方が現実的だよなぁw


人気Blogランキング 映画ランキング エンタメ@BlogRanking
ブログランキングネット HPランキング bloog.jpランキング ブログコミュニティくつろぐ
記事が気に入って頂けましたらClickお願いします!好みのブログ検索にもどうぞ




■関連記事TB先(TB返し除く):とりあえずな日々雑板屋の脳内思考しーの映画たわごと(順不同敬称略)

■ダニエル・ブリュール出演作品DVD
   ・ ベルリン、僕らの革命
   ・ 青い棘
Comment
この記事へのコメント
こちらにもお邪魔します〜。
先日書き込みしようとしてたら文字化けしちゃって…。
改めまして、先日はコメント&TBありがとうございました。

>家族と暮らした祖国を愛し続けたのはむしろ息子の方
>母親思いの息子の最後の親孝行の様相を呈しつつ、イデオロギーを喪失して途惑う人間の葛藤

さすがです、linさんのレビュー拝見したとき目から鱗でしたよ!!
人間なんだかんだと不満があっても昨日今日で今まで培ってきた価値観も生活も一変するのは難しいですものね。
例えその時変化に応じることが出来ても徐々に破綻したりする場合もあるだろうし。
母親孝行を通じてアレックス自身も無意識に変化を受け入れる体制を整えていたのかもしれないですね。
色々考えさせられました。
2006/ 02/ 04 (土) 00: 45: 42 | URL | かの # xjc7fkBo[ 編集 ]
>かのさん
コメント・TBありがとうございます。
<母親孝行を通じてアレックス自身も無意識に変化を受け入れる体制を整えていたのかもしれない
そんな気がしますね。息子が彼自身の中のイデオロギーや愛国心と一つの訣別をする為の儀式のようでもありました。
Linkさせて頂いているDrifting Cloudsさんの記事http://blog.livedoor.jp/matu_h/archives/14266189.htmlではあの目まぐるしく変わる早送りの映像自体も、時代の変化の速さを象徴していると指摘されていました。面白い作品だと思います。
2006/ 02/ 04 (土) 00: 57: 56 | URL | lin # -[ 編集 ]
コメントを投稿する
URL :
コメント :
パスワード :
秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
「グッバイ、レーニン!」★★★★★ 2003年ドイツ 監督:
2005/10/02(日) 21:06:34 | いつか深夜特急に乗って
グッバイ、レーニン!おすすめ度:★★★ ドイツ映画でヒットした作品らしい。ストーリーは、恐怖で夫と一緒に西ドイツへ亡命できなかったため、その反動から熱心な社会主義者になってしまった母親が、反社会主義運動の紛争の中で息子を目撃してしまい、ショックのあ...
2005/12/03(土) 19:49:57 | おすすめ本と最新映画情報【書評と映画レビュー】 本検索、本通販、映画館、読書感想文、評論、批評
グッバイ、レーニン!1989年、統一前夜の東ドイツ。10年前に父親が西側に亡命したアレックスは母と姉とともに暮らしていた。反体制の考えを持っていた彼はある日、反社会主義デモに参加する。しかし警察に捕らえられてしまい、その光景を目撃した母はショックで心臓...
2006/02/01(水) 22:48:04 | とりあえずな日々(仮)
ロシアからの帰りの飛行機の中で見た、『グッバイ、レーニン!』ロシア帰りに「グッバイ、レーニン」だなんて、何の因果か(謎)。これはよかったです。飛行機の中で、思わず涙してしまいました。まぁ1列3席全部使ってたから隣誰もいないし、真っ暗でみんな寝てたから構わな
2006/06/15(木) 19:07:58 | *モナミ*
先日観た、ラヴェンダーの咲く庭でのダニエル・ブリュール目当て。内容的には、同じく彼が出演しているベルリン,僕らの革命に近かったかな。レーニンと言いながらソ連じゃなくて、旧東ドイツの話。旧東ドイツじゃあんな風にレーニン像が街中にあったのかね?
2006/11/25(土) 18:49:29 | しーの映画たわごと
copyright (C) NUMB all rights reserved.
designed by polepole..