-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


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「息子のまなざし」
2005年 08月 26日 (金) 00:10 | 編集
息子のまなざし 息子のまなざし

「息子のまなざし」 ★★★☆

THE SON (2002年フランス・ベルギー)
監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
キャスト:オリヴィエ・グルメ 、モルガン・マリンヌ、イザベラ・スパール、ナッシム・ハッサイーニ、クヴァン・ルロワ、フェリシャン・ピッツェール、レミー・ルノー
公式サイト

エンディングにすべての思いが凝縮された非常に繊細な作品である。

内省的でドキュメンタリーのような味わいの映像、そこには感傷的な音楽も親子物にありがちな叙情的な演出もない、会話と会話の間にある静寂の張り詰めた空気が観る者を惹きつけるのだ。
ストーリーは息子を失くした男オリヴィエと1人の少年との出会いから始まる。生活音だけがバックに響き少年フランシスに対するオリヴィエの態度と表情を丁寧に追う事によって展開する物語は静謐ですらある。ただただ二人の距離の微妙な緊張感がラストまで続く構成になっているため、淡々としたストーリーにもかかわらず観客はじっと目を凝らしてその行方を見守ることになるのだ。

ここから完全にネタバレなので見たい方は反転させて下さい。
息子を殺した犯人である少年の瞳にオリヴィエは息子の影を見たのだろうか?二人の触れ合いは師弟関係でありつつ擬似親子のようでもあり、それが何ともいえない危うさを秘めた空気を持っている。少年を知ろうとするオリヴィエの中に憎しみがないのか、復讐の衝動に駆られることはないのか、と当然その成り行きに危惧してしまうのだ。
だが少年に真実が告げられるラストは思った以上に呆気なく、それ以上にエンディングは唐突な印象さえ覚える。誰もが予期するようなドラマティックなメロドラマシーンはそこには全く展開されないのである。
少年は立ち去らなかった。
ただそれだけのシーンがこの作品のすべてを象徴する。
言葉では一切の赦しや謝罪は語られなくとも、佇む少年の姿はオリヴィエへに対する信頼を具現し、また真実を知りつつ少年を受け入れようとしたオリヴィエ自身が既に少年の罪を赦していたのではないかと理解させられる1シーンなのである。
監督のインタビューによれば、復讐ができる状況にも関わらず復讐を行わない男、を描きたかったのだそうだが、ラストシーンはそれを表現するのに十分だろうと思う。


抑制された演出はこの映画のテーマにぴったりだし、俳優の表情も演技を感じさせない自然さ。ただ未来にその傷が癒されることを素直に祈りたくなる作品だったと思う。
演出に色気のある作品ではないのでエンタメ好きな人には全くお薦めはできないが、赦しと受容について考えさせられる深いドラマだ、興味のある方は是非w。
2002年カンヌ国際映画祭主演男優賞・エキュメニック賞特別賞受賞作品。


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