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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「25時」
2005年 08月 25日 (木) 22:29 | 編集
 25時 スペシャル・エディション

「25時」 ★★★☆

25TH HOUR(2002年アメリカ)
監督:スパイク・リー
キャスト:エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパー、ロザリオ・ドーソン
公式サイト

スパイク・リーが描くNYへの溜息と限りない愛。

収監されようとする男に残されたたった24時間。父親や友達、恋人と過ごすそのわずかな時間を描いた作品だ。モンティという男の生き様とその犯した罪は結局自業自得でもあるのだが、この男自身がある意味NYという街の裏の部分を象徴するような存在なのである。
その街に住み街を知る人間の立場から、人種の坩堝であるNYを斬ったらこんな風に映るのだろうか?
モンティは鏡に向かってぶちまけるのだ。"Fuck you!NY"
それこそスパイク・リー監督の、NYへの辛辣な皮肉と共にあの街とそこに暮らす人間への痛切な思いと愛着そのものなのであろう。原作にはなかったというグラウンド・ゼロの長いカットも然り。この映画の中で最も印象的かつ忘れられない慟哭の場面である。
ラストシーンでフラッシュバックされる「まぼろしの人生」とは、モンティがそうありたかったと願う、あるいは選ぶことができたはずのもう一つの人生なのだろう。父親のナレーションで進むエンディングはあまりにも切なく我々の胸を打つ。取り戻せない時間へのモンティの後悔と懺悔を投影するかのような暖かく美しい映像は、それが幻想であるが故になお一層観る者の心に深く刻まれる。

7年の収監があたかも人生の終わりのように語られたり、モンティがドラッグの売人と知りつつも付合う仲間関係といった描写も、NYの社会状況やアメリカの刑務所、ゲイの実態等を匂わせてなかなか興味深い部分である。

自分がモンティならば残された時間何をするのだろう?
また逆の立場だったなら一体何をしてやれるのだろう?
酷く心に沁みるラストだ。


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■「25時」サントラ
25時 オリジナル・スコア(CCCD) 25時 オリジナル・スコア(CCCD)
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