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-何の参考にもならない映画評-
The Door into Summer
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 ★評価別Index : ★★★★★ ★★★★ ★★★☆ ★★★ ★★☆ ★~★★ 


「アイデン&ティティ」
2005年 08月 24日 (水) 01:48 | 編集
 アイデン & ティティ 

「アイデン&ティティ」 ★★★★

監督:田口トモロヲ
キャスト:峯田和伸、中村獅童 、大森南朋、麻生久美子
原作:みうらじゅん
脚本:宮藤官九郎
主題歌:ボブ・ディラン「Like a Rolling Stone」

青い、若い、痛い。
クサい気恥ずかしさが同居する自分探しのロックな魂に熱くなる、そんな映画だ。

峯田和伸演じる中島は、ともすると古臭いロック観と対極的な商業主義の板挟みになってひたすらカッコ悪くて情けない。「売れる歌」が「本当に作りたい歌じゃない」なんていう青臭い理想だけじゃ生きていけない世界で、どこまで自分を見失わないでやれるのか?そういう拘泥は大なり小なり誰にでもあるんだろうが、ロッカー達にとってはまさに魂なのだろう。理想と現実の狭間で揺れ動くアイデンティティーといったところか。

不器用にしか生きられない中島と実際にもミュージシャンの峯田の姿が重なって実に切なく味わい深い作品になっていると思う。ただ、90年のバンドブームを体感した世代ではない自分には、そのブーム自体が所詮メディアに作られた浅薄な物でロックじゃないような気がしたことは事実。(あ、イカ天ファンってまだいるのかなぁ 笑)
また中盤のロックの神様な展開も若干散漫な印象でテンポが悪い。だが、中島とロックの神様との会話はいちいち考えさせられる言葉に溢れ、LIVEの峯田の歌は酷く心に響くのだ。

オトナの悩みとコドモの涙。

商業主義から離れて自らの音楽を模索し始めた中島の元を去って行くディラン。流されることは簡単だがそれでは自分の探したいものは多分見つけられない。本当の自分の居場所を見つけた時にアイデンとティティはいつか一つになれるのかもしれない。
とまぁこんな風に嵌れる人もいれば、この世界理解できない人もやっぱりいると思う。別世界の事だと達観して冷静に見てしまうと恐ろしくつまらない映画になってしまうだろうし、映画としての出来が良いとは正直言えないが、
取りあえずロックだ!!(爆。

峯田と中村獅童のキャスティングも実にはまっているので、ロック好きな人、切ない青い青春映画が観たい人には絶対お薦めの作品。
【2004.10.02】


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■エンディングテーマ曲はディランの「Like a Rolling Stone」、サビの歌詞には素でヤラれました、いい曲だなぁw。でもディランがロックだなんて思ったことなかったけども(爆。収録アルバムはコレ↓
ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン ザ・ベスト・オブ・ボブ・ディラン

     How does it feel
     How does it feel
     To be on your own
     With no direction home
     Like a complete unknown
     Like a rolling stone?

■アイデン&ティティ サントラ
 オリジナルサウンドトラック「アイデン&ティティ」
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